私たち非常勤講師はわずかな時間給で研究費や研究環境はもちろん、授業準備や教材費すらも不充分な条件の下で、専任教員と同じレベルの業績、同じ質の授業の供給を求められ、苛酷な努力によってそれに応えております。しかも大学や担当教員の一方的都合による雇止めの不安に常にさらされ、1年先の生活の見通しすら立てられない不安定な身分に置かれているがゆえに、この待遇の不当性を訴えたり、雇止めなどに抗議したりすること自体が困難な状況におかれています。大学経営は、自由にものが言えない労働者の弱い立場を利用しながら成り立ってきたと言っても過言ではありません。しかも危機に直面して真っ先に切り捨てられるのは非常勤講師をはじめとする不安定雇用労働者なのです。
このような時代であるからこそ、組合のはたすべき役割は一層重要になってきております。組合こそは雇用形態の多様化を越えた働く者の共同性の回復の場として活動していくことの可能な唯一の組織なのです。もっとも不安定で弱い者の立場にたった共同性の追求こそが労働者全体の利益につながるということが今日ほど明らかな時代はなかったのではないでしょうか。こうした意味で、声をあげることの困難な非常勤講師の立場を明らかにし、大学をめぐる急激な変化の中で、私たちと多くの問題を共有している専任教職員との真の意味での連帯を求める私たちのささやかな組合活動は、今後一層意義を増していくものと考えます。非常勤講師、大学院生、そして大学で働くすべての教職員に、連帯の輪を広げていこうではありませんか。
以下項目別に今年度活動方針を提案していきたいと思います。
今年も引き続き粘り強く交渉を進めて行きます。昨年同様正式の団体交渉としての位置付けを要求します。賃金についても昨年同様「同一労働同一賃金」原則に基づいて1コマ最低50000円を要求します。とくに雇い止めや契約講師問題についての取組みを強化していく必要があります。できるだけ専任組合の春闘に足並みを揃えて交渉を行えるよう努力したいと思います。
「くみあい通信」は一般組合員と執行委員会をつなぐ大切なメディアです。今後もできるだけ組合員の声を反映させた紙面作りをめざします。またホームページは最新情報を掲載し、非常勤講師の切実な声を集め、また非常勤講師の実情を広く社会に知ってもらうために、一層の拡充を図ります。
私たちの運動は私大教連をはじめ、専任教職員の理解と協力に大きく支えられてきました。今年はこうした関係を今まで以上に深めていくために、努力していきたいと考えています。
組合活動はなんと言っても組合員の協力によって支えられています。さいわい組合員数は毎年着実に増えております。ひとりでも多くの仲間とともに進んでいけるよう、周囲の非常勤講師に呼びかけていきたいと思います。また問題意識を共有するために、昨年同様非常勤講師にとって切実な課題に関する学習会などを企画して、交流を深めて行きたいと考えます。
当組合は時間的にも経済的にもゆとりのない大学非常勤講師自身によって運営されています。なかなか十分な活動ができているとは言いがたい状況ですが、それでも関わってくれる方が少しずつ増え、一般組合員の参加も少しずつ活発になってきました。組合活動の発展は多くのみなさんの参加がなければ不可能です。是非とも組合員のみなさんの今まで以上に積極的な参加と協力をお願いいたします。